第10回「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議 開催

2021.04.13

4月6日、第10回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

「広がれ、こども食堂の輪!全国ツアー」終了後はじまった本会議ですが、今回10回目を迎えることができました。

子どもだけでなく地域住民の居場所になっているこども食堂の取り組みが、安定的に全国に広がることを目的に、子ども支援に関わる多様なセクターが事例の共有や意見交換を行う場として開催してきました。

こども食堂は現在5,000か所超と言われるまで増えましたが、運営はボランティアで成り立ち、持ち出しも多い等、依然として課題があります。

とくにコロナ禍で困窮する過程が増えるなか、セーフティーネットの役割を担う団体も多くみられました。

今後も「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では皆さまの知恵をお借りし、こども食堂の安定的な運営、ひいては豊かな地域の形成に向け、話し合っていきたいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、第10回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」について共有させていただきます。

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開催日時】4月6日(火)14時~16時

【会場】東京ウィメンズプラザ 視聴覚室B・C もしくは オンライン

【会議内容】

1)2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況ついて

2)こども食堂等居場所づくり支援の活動について

3)事例報告


1)2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況ついて

1.推進会議(都内開催)は年4回実施予定。

2.食でつながるフェスタは3地域での開催の他、東京での全国集会を実施予定。

*予定:長崎県、秋田県、他1地域で検討。東京は夏頃開催予定。


2)こども食堂等居場所づくり支援の活動について

1.休眠預金「持続可能な地域活動援助モデル構築事業」 について

*食支援活動団体と母子生活支援施設が連携することで①食が地域に循環すること②ソーシャルワーク機能が共有されることを目指し行う助成公募。4月16日まで公募受付中。

2.助成公募「食を通して子どもの笑顔をつなごう」について

*王将フードサービス様の「野菜煮込みラーメン」売上の一部の寄付を原資に行う助成公募。4月末まで公募受付中。

3.農水省掲載「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」について

*ロジ22地域、ハブ拠点約60か所を通し、約1,000か所の食支援活動団体に食品を提供する取組みが農林水産省HP消費者庁HPにて紹介されました。


3)事例報告

事例報告① こどもの居場所づくり

講師:特定非営利活動法人秋田たすけあいネットあゆむ 理事長 保坂 ひろみ さん

2015年~ フードバンク活動を開催

2016年~ 子どもから高齢者まで様々な生活支援、困窮者支援、学習・居場所支援を展開

県内で今までなかったDVシェルターを開設、ひきこもりの社会復帰訓練も行う 現在11事業実施

・秋田ではこども食堂=貧しい子どもが行く場所というイメージが先行してしまうことから、親子食堂として実施

・コロナで秋田県内だけでなく、全体的な困窮度合いが増していることを実感

・ヤングケアラーへのアウトリーチ等も自治体と連携して実施することを検討

・クリーニング店舗の窓口に協力してもらい、制服リユースを実施

・困窮している子、親の情報が中々見聞きすることができない、民生委員でも立ち入れないことがあり、情報を得るのが難しい。ラジオやSNS、新聞、NHK等で発信することで対象者がキャッチしてくれることで支援に結び付いている

・県内のこども食堂はまだ活動を休止している団体が多い

・貧困県と言われているのに対し、お米等農産物が豊富だからか食べられない子どもがいるという認識が県民の中で低いように感じている

・地域の居場所交流の推進…親子食堂、地域「みん・カフェ」、地域食堂(社協等と共催)

・やりながら発信して、興味のある人をやる側に巻き込んでいきたい


事例報告② 地域に根差した、ひとり親家庭等への食支援活動について

講師:NPO法人にじいろのわ 代表 内藤 陽一 さん

山梨県について…県民80万人、3人に1人の高齢化率、子どもが少ないのが現状

にじいろのわについて:こども食堂、学生ボランティア団体等24団体で構成されたネットワーク団体。誰もが活躍できるステージ作りを目指しています。それはこどもだけでなく、年齢や障がいの有無等に囚われない

コロナ禍での活動:

・フードパントリーを中心に甲府市内2ヵ所でワンコイン弁当を月1回開催

・地域交流と居場所づくりの活動として、防災こども食堂に力を入れている。行政からの備蓄された食材を実際に調理しながら体験型の居場所を開催。

・GO TOパーク…主催者は高校生ボランティアが中心となり、大人は後方支援。

◎地域で顔の見える関係、気軽に交流できるきっかけをつくっていく…高校生がプロデュースして公園の屋外でクリスマス会を開催する

・コロナ禍で休校になったことをきっかけに、冷蔵庫の必要性に着目

・高校生がフードドライブを校長に提案し、学校でフードドライブを実施した事例も

・一昨年から山梨県がこども食堂の取り組みを推進するようになったことが後押しに

・来週中にはNPO法人化予定。定款には、こども食堂団体へのフードバンク活動の実施についても明記

◎自活を目指して…今年から甲府市内の農場でコミュニティファームの活動をスタート

 活動資源を得ること、就労体験の場、食に触れる大切さを体験する機会を通して活動の幅を広げられるように

今後の連携について:職業体験会の実施を提案、GO TO 花火を5月に開催予定。花火師さんと線香花火を作ったあと、真上で花火をあげるイベントを開催。子どもの貧困調査の中でも6割がた経験値が少ないことが分かったため、地域の大人が子どもに体験を提供していきたい。


事例報告③ 「地域子供の未来応援交付金」の拡充(つながりの場づくり緊急支援)

講師:内閣府政策統括官(政策調整担当)付 参事官(子どもの貧困対策担当)付参事官補佐 田原 友世 さん

子どもの貧困対策…地域子供の未来応援交付金の拡充(つながりの場づくり緊急支援)

実態調査・計画策定:市町村ではまだ貧困対策の計画を立てていない自治体が多い

子供等支援事業:子供の居場所づくりを一斉に強化するために1/2→3/4に補助率を引き上げ。

・県あるいは市町村がこども食堂等支援を行う団体に委託をして行う場合に補助率が3/4。内閣府の地方創生臨時交付金で1/4で賄うことができるので、実質地方自治体の負担金がなく実施することができる。

・しっかり自治体に自分事として取り組んでもらうためにも、地元の自治体がNPOと協働して事業を実施していってほしい

・就学援助が必要な子どもの情報を集約している・児童扶養手当を渡している世帯は自治体なので、自治体が居場所づくりに取り組んでいってほしいと考えている。

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次回の第11回「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議は5月24日(月)14時~を予定しています。