第14回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」開催

2022.01.27

1月24日、第14回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

 こども食堂が安定的に・持続可能な形で広がることを目指し、子ども支援団体が分野を超えて情報交換や協議・連携できることを目的に、子ども支援に関わる多様なセクターから活動者、支援者、専門家が参加して開催をしています。

 新しい年を向かえましたが、未だ新型コロナウイルス感染症拡大の心配から抜け出せない冬です。コロナ禍以前はほとんど求められることの無かった食糧や生活用品の支援といった活動を続けている子ども達の居場所を運営する団体にとって、これからもこの活動を続けるのか、これからどのような活動が必要とされているのか、見通しが立てにくい新年だと思います。同じ様にコロナ禍において活動を変化させ、そして今後のニーズに向き合っていこうとされている支援団体の皆様と共に考えていきたいと思います。

 第14回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、オンラインで、2名の方に登壇していただきました。❄ 第14回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、オンラインで、2名の方に登壇していただきました。

  • 認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長 工藤 啓 さん
  • 母子生活支援施設 百道寮/産前・産後母子支援センターこももティエ 施設長 大神 嘉 さん

 困難な状況にある若者、若年女性の支援に食支援が加わり、支援対象者とのつながりが深まって、信頼関係の基盤となる――そんな食の役割に子どもの居場所に共通するものを感じられました。

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【開催日時】1月24日(月)14時~16時

【会場】オンライン

【会議内容】
1 開会、参加者自己紹介
2 事例報告① NPO法人育て上げネットの活動について
3 2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有
5 事例報告②  若年女性の支援について


1 開会、参加者自己紹介

3 2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

1) 推進会議(都内開催)
 今年5回実施済み(第 1回:4/6、第2回:5/24、第3回:7/1、第4回:9/7、第5回:1/24)ですが、第6回目まで開催予定しています。

2) 食でつながるフェスタ
東京:10/10   秋田:2/4-5   長崎:2/22・23  千葉:3/4
休眠預金での実施:長野10/1,2  北海道11/19,20  山口12/3,4  熊本1/16,17
※新型コロナウイルス感染症の拡大状況により日程が変更となる可能があります。

4  こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有

1)王将フードサービス お子様弁当無料配布の実施<冬季>

 昨夏に引き続き、株式会社王将フードサービスの食を通じた社会貢献活動として、冬休みの子ども達に向けて、約6万2千食の無償提供に協力しました。連携する子どもの居場所、支援団体も大きく増えて、58の団体の協力を得て、740団体に受け取っていただきました。また、今回はアサヒ飲料株式会社からもお弁当1食につきカルピスウォーター1缶を付けていただきました。

2)こども食堂運営継続 応援プロジェクト 毎日新聞東京社会事業団からの寄付助成

 こども食堂運営団体からの応募をいただき、約300万円を助成予定です。応募締切は1/31。

3)「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」各地での説明会進捗状況

4)厚生労働省令和3年度補正予算補助事業 ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業について


事例報告① NPO法人育て上げネットの活動について 
      講師:認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長 工藤 啓 さん

 育て上げネットが目指すのはすべての若者が社会的所属を獲得し 「働く」と「働き続ける」を実現できる社会です。そのために教育支援事業や学習支援事業、就労支援事業といった支援活動をおこなってきましたが、コロナ禍からこれまでの支援に加えて「生活を支える支援」が必要となってきました。フードバンク団体や全国食支援活動協力会、自治体等から支援を得て若者や子ども達に直接渡したり郵送したり、又は、近隣の高校と連携して学校を通じて支援を届けています。

 食糧等支援は居場所や学習・就労支援という主目的のための生活基盤サポートと位置づけています。食料等は事務所に一時的にストックしていますが今後は連携NPOや学校に受け皿機能を担っていただきたいと考えています。

事例報告②  若年女性の支援について ~妊娠葛藤相談の現場から~
      講師:母子生活支援施設 百道寮/産前・産後母子支援センター
         こももティエ 施設長 大神 嘉さん

 産前・産後母子支援センターとは予期しない妊娠や若すぎる妊娠など妊娠期から出産後の養育に支援が必要な妊婦さんへの支援をおこなっています。「母子生活支援施設」に支援コーディネーターや助産師・心理士等を配置し、支援を提供しながら予期せぬ妊娠を背景とした児童虐待の防止を目的とします。

 0歳から3歳までの子どもで最も虐待死が多いのは0歳児です。1歳、2歳、3歳で虐待死する子どもの数を合わせても0歳で亡くなった事例の数には及びません。しかも、0歳児のうち最も虐待で亡くなりやすい月齢は0ヶ月、生後0日目です。主たる虐待加害者は実の母親です。虐待予防のために、twitterの活用など望まない妊娠をした若年女性がアクセスしやすい工夫をしながら妊娠葛藤相談を受け付けており、産前・産後の生活支援から自立まで母子の支援を行っていきます。ワンストップ型母子支援拠点では困難な課題を抱える子どもと女性への総合支援ができることを計画しており、「0歳0日志望をゼロに!」を目指しています。


次回、第14回「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議は3月17日を予定しています。