第15回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」開催
2022.03.21
3月17日、第15回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。
こども食堂が安定的に・持続可能な形で広がることを目指し、子ども支援団体が分野を超えて情報交換や協議・連携できることを目的に、子ども支援関わる多様なセクターから活動者、支援者、専門家が参加して開催をしています。
少しずつ春らしくなってきました。年度末に向けて慌ただしい日々をお過ごしの方も多いと思いますが、年度替わりには進級・進学に伴う新たな出費も控え、経済的にコロナ禍の影響を受けたご家庭では嬉しくも悩ましい季節だとうかがいます。子ども達にとnっても大事な節目であり、できるだけ思い出に残る体験ができる春であって欲しいと心から願っております。
第15回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、オンラインで、2名の方に登壇していただきました。
- 農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 外食・食文化 食品ロス・リサイクル対策室 課長補佐(食品ロス削減・リサイクル班) 岸田 学 さん
- 厚生労働省 子ども家庭局家庭福祉課 虐待防止対策推進室 室長補佐 胡内 敦司 さん
年度末のお忙しい時にご登壇いただいた講師の皆様、ご参加者の皆様に感謝申し上げます。
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【開催日時】3月17日(木)14時~16時
【会場】オンライン
【会議内容】
1 開会、委員長挨拶・参加者から近況報告
2 2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
3 2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の事業案について
4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有
5 事例報告
1 開会、参加者自己紹介
2 2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
1) 推進会議(都内開催)
2021年度はコロナ禍に伴いオンラインでの開催が主となりましたが年6回開催しました。(第1回:4/6 第2回:5/24 第3回:7/1 第4回:9/7 第5回:1/24 第6回:3/17)
2)食でつながるフェスタ
東京開催と全国各地域で開催しました。
東京:10/10 秋田:2/4-5 長崎:2/22・23,3/26 千葉:3/4
休眠預金での実施:長野10/1-2 北海道11/19-20 山口12/3-4 熊本1/16-17,2/28
既存の地域ネットワークを更に拡張することを目的に開催され、行政・社協・フードバンク・企業等からも多くの参加が報告されました。
2 2021年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
3 2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の事業案について
1)王将フードサービス お子様弁当無料配布の実施<春期>
夏期・冬期に引き続き、株式会社王将フードサービスの食を通じた社会貢献活動として、春も子ども達にお子様弁当をお届けすることに協力しました。春休みで短い実施期間となりましたが、多くの方のご協力・連携により約5万食を提供いただくことになり、1日あたりの提供食数は前回より大きく増えました。
2)厚生労働省令和3年度補正予算補助事業 ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業 実施状況について
3月末までに執行予定の補助事業で、助成事業と食品提供事業の2つを実施しています。助成事業は123団体より応募があり、90団体(122,245,000円)を採択。食品提供事業では194団体(32都道府県)から応募があり、全団体に17日締め切りで食品が発注されました。
3)「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」各地での説明会進捗状況
3/14に徳島で四国県域を対象とした説明会を開催しました。説明会ではいずれの地域においても物流・保管・分配の課題があることが提起され、4月以降四国県域で連携を進めるべく会合を持つことで合意しました。3/15には愛媛県における寄贈品の分配の仕組み構築に向けた会が持たれ、県内を三分割した体制整備の状況について共有されました。
事例報告① 講師:農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 外食・食文化課
食品ロス・リサイクル対策室 課長補佐(食品ロス削減・リサイクル班)岸田 学 さん
- フードバンク支援緊急対策事業:今回から輸配送費用や仕分けに関わる人件費も補助の対象となった。現在審査中だが予算に余裕があるため、令和4年度に繰り越される見通し。
- フードバンク活動支援:スタートアップ支援と先進的な取り組みに対する支援の2本立て。先進的取組は全国の仕組み構築である「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」も対象となる。
- 新しくフードバンク活動を始める団体が増えている現状や食品の取扱量増加を受け、講習会をオンラインで開催した。今後も随時情報発信を行う予定。
- ボランティア不足、担当所管の不明瞭さ、補助金申請書類作成や取扱い記録の負担、食品取扱量・品目の増加に伴う取扱い管理の煩雑さ、継続支援の必要性等の声がフードバンク活動団体より寄せられている。
事例報告② 講師:厚生労働省 子ども家庭局家庭福祉課 虐待防止対策推進室
室長補佐 胡内 敦司さん
- 全国の市町村における児童虐待相談応対件数は増加傾向。親子分離等の措置が取られた場合でも9割を超える児童が最終的に親元に戻り、地域で暮らしている。心理的虐待が約6割と高い。特に面前DV(親や兄弟へのDVを見ることによる間接的・心理的な虐待)が増えている。
- 子どもの相対的貧困率は2019年で13.5%、子どもがいる現役世帯のひとり親家庭では48.1%。OECD37か国中、日本の相対的貧困率→29位、子どもの貧困率→26位、ひとり親家庭の貧困率→35位(人口1人あたりのGDPは21位)
- ヤングケアラーの実態把握を目的に、中学2年生および全日制高校2年生を対象に調査研究を実施。世話をしている家族が「いる」と回答した中学生は5.7%、高校生は4.1%であった。世話をしている家族の内訳は兄弟が中学生(61.8%)、高校生(44.3%)と一番多かった。また、ヤングケアラーと自覚している子どもは約2%、分からないと回答した子どもが1~2割程度であり、ヤングケアラーが必ずしも問題とは言えない実態が分かったが、「過度なケア」には注意が必要である。ヤングケアラーの認知度は低く、8割が「聞いたことはない」と回答した。
- 本年度は支援対象児童等見守り強化事業は補助率10割だったが128市区町282カ所と実施は低調だった。来年度は「アウトリーチ型/居場所型(補助率2/3)」「クーポン・バウチャー等活用型(補助率10/10)」の2本立てで実施する。
- ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業は6中間支援団体を通し実施した。予算に余裕があるため、次年度繰越で実施する可能性が高い。
次回、2022年度の「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議は5月26日を予定しています。