食でつながるフェスタやまなし 開催レポート -1 基調講演
2019.11.15
11月10日(日曜日)、甲府市の山梨学院短期大学にて「食でつながるフェスタやまなし2019 ~地域・世代がつながる地域の居場所を広げよう!~」が開催されました。
山梨県での食フェスタ開催は今回が3回目。
県内の食・居場所に関わる活動団体の他、社協、行政、学生など総勢80名程度が参加 。共催の山梨学院短期大学の全面協力のもと、広い会場をお貸し頂き、保育科・食物栄養学科の学生さんたちに運営スタッフとしてご協力いただきました。
基調講演は、大阪市より、NPO法人西成チャイルド・ケア・センターの川辺康子さん。学校での読み聞かせや公共施設を使った子どもの広場開設を通して、20年近く地域の子どもに関わってきたこともあり、「地元小学校で、私の顔を知らない子はいないと思う」といいます。
ある一人の男の子との出会いから、子どもとじっくり関わりたいと考えるようになりました。また、何を言っても落ち着きがない子どもたちの様子を見て、「イライラしているのは、お腹が空いているからちゃうか」と気づいたといいます。
そこで2012年に始めたのが「にしなり☆こども食堂」。普段はごはんを食べる、宿題をする、遊ぶこともでき、子どもたちの親も話を聞いてもらい、心ほぐれる場となっています。夏にはキャンプに行く、クリスマスには地元の商店・企業や住民の協賛を受けて、パーティーを開いたこともあり、子どもたちは大喜び。
こども食堂の活動に対し、「贅沢だ」「親を楽させているのではないか」と否定的な声が聞かれたこともあったそうです。
ですが川辺さんは、「自分だけが幸せな社会は存在しない。他人のしんどい状況に気づき、”分け合える社会”をつくっていきたい。」と強く思いながら活動を続けています。
その想いに共感する賛同者も増え、次なる構想として、子どもとその親たちが共同生活をする、まるで”実家”のような「にしなり★つながりの家」の設立を目指し動いています。
しんどい状況にある人が「申し訳ない」と萎縮しやすい世の中を、他者の苦しみや辛さに気づいた人がまずは動き出し、喜びに変換させていく社会へ。
川辺さんの長年の実践にもとづいた言葉から、前を向く勇気をもらえる基調講演でした。
★川辺さんの活動をもっと詳しく知りたい方は
NPO法人西成チャイルド・ケア・センター公式HP