食でつながるフェスタやまなし 開催レポート -2 分科会
2019.11.18
11月10日(日曜日)食でつながるフェスタやまなしでは、2つの分科会が行われました。ダイジェストを報告します。
分科会① 居場所づくりを始めたい人のためのファーストステップ
進行は、認定NPO法人Happy Spaceゆうゆうゆう 理事長の星合 深妃さん。これから居場所づくりを始めたい人を主なターゲットに、事例報告&ワークショップ形式で取組みました。
1つ目の事例は、にららん♪食堂 代表の内藤 慶子さんより、立ち上げるまでの検討会議や保健所への相談スケジュール、グループの役割分担、イニシャルコストなど、活動を始めるまでに必要な事柄について、具体的に教えて頂きました。
2つ目の事例は、笛吹市社会福祉協議会 ふえふき子ども子育て関係者連絡会事務局担当の坂本 理恵さんより、「子どものたまり場プロジェクト」について。社協が取り組む連絡会活動を通して、市内の子育て関係団体同士の情報交換ができ、寄付食材のシェアができるなどのメリットがあるそうです。
3つ目の事例は、切り口を変えて「ひばりヶ丘高校 うどん部」! 「讃岐うどんを超えるくらい吉田のうどんを有名にする」をミッションに、高校生が主体となって取り組んでいる部活動です。顧問の大久保 健先生は、「もともとは授業の一環でしたが、より発展的な活動を目指して、H25年に部活動へ移行しました。昨年からは、スーパーのフードコート内に出店(定期テスト前を除く日曜日11時~14時)して就業体験を行うなど、活きた商学・ビジネス活動を実践をしています。」と紹介。
事例紹介後は、6つのチームに分かれて「どんな居場所を立ち上げたいか?」を構想するワークショップを行い、活発な意見交換が行われました。
分科会② 多様な世代が 担う食の居場所 ~子ども・中高生から元気シニア世代まで~
進行は、山梨県ボランティア・NPOセンター 主任の丸山 雅洋さん。居場所づくりの担い手が多様な年代に広がっていることに着目して、実践事例を紹介し合いました。
1つ目の事例は、「会館こども食堂実行委員会」の土屋 茂さん。 甲府市総合市民会館でレストランの運営を受託しており、その会場を使って月1回こども食堂を開いています。 どんなことをしたいか、子どもたちにアンケートを取ったところ「勉強したいけど塾に行く金がない」「野外活動をしたい」の声が多かったそうです。そこで、今年の夏は「山梨じゃんじゃんキャンプ」を実行しました。活動に関わる年齢層は幅広く、高校生から子どもたちの母親世代、シニア世代までと様々。「学習支援は、高校生がお兄さんお姉さんの近い目線で関われます。一方、シニア世代は、人生経験をもってスタッフの高校生の様子も見てくれるんです。お互いに役割があります。」といいます。
2つ目の事例は、「寺GO飯実行委員会」の山田 哲岳さん。きっかけは、宗派を超えた僧侶グループ「坊主道」が立ち上がったこと。檀家だけでなく、地域の人たちみんなにお寺を身近なものとして感じてほしい、という想いがありました。横浜市での取り組みを参考に視察を行い、お坊さんたちにできることとして始まったお寺での「こども食堂」。甲斐市の教育委員会の協力で、12小学校にチラシが配布され、たくさんの子どもたちが来るようになり、今では定員40人の事前申込制です。1日の流れは、スタッフ紹介の後、法話、座禅を行うというから”お寺ならでは”。運営は、学生たちが主役になってくれています。「学生たちには、限度を決めずに自由に自分たちの思い通りにやってほしい。障子を破るくらいはかまわないよ。」と言っているそうです。「やってみて、修正したほうが良いと思ったら指摘しますけれどね。」と山田住職。その微笑みには、子どもたちにのびのびと育ってほしいという願いが見て取れます。
3つ目は、高校生からの発表。甲府第一高校3年 大野 中菜さん、駿台甲府高校1年 松本 千夏さんより、「SDGsに関連して高校生が取り組めること」について課題提起がありました。 大野さんは、 ①高校生による学習会:話しやすい、相談しやすい(学校生活、部活などについて) ②居場所をつくりたい:学生が常にいて子どもたちが自由に出入りできる場所 ③様々な特技を持つ人たちを集めた交流の機会がほしい、という3つのことを考えたといいます。
松本さんは、こども食堂にボランティア参加している経験から、「こども食堂が、親が笑える余裕を持てる場になればいい。また、こども食堂が子どもたちが自分のことを話す最初のステージになればいい。」と言います。高校生の力強い言葉に、大人ができることをしっかりやらなければ、と身の引き締まる発表でした。