第22回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」開催

2023.10.18

2023年10月17日、第 22回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

 子ども食堂全国ツアーを発端に、子ども食堂に限らないその他の活動や中間支援活動と連携していくネットワーク形成を目的に発足した会議開催しております。

 2023年最後の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」はオンライン開催でした。暑い日々がようやく落ち着き、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザの流行も心配なところです。とはいえ、新型コロナウイルスが5類に移行されたことにより、会食を増やして活動されている団体も多いのではないでしょうか。子どもたちが安心安全に日々生活を送れるよう、多様な活動を支援団体の皆さまと共に我々も日々精進してまいります。

第22回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」では以下の2名の方にご登壇いただきました。

・農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 課長補佐(食育統括) 堂脇 義音様

・北九州市食生活改善推進員協議会 会長 小畑由紀子様

堂脇様からは食品アクセス問題について農林水産省で力を入れようとしていることについてお話しをいただき、小畑様からは北九州市で行われている事業についてお話しいただきました。

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【日時】2023年10月17日(火)14時~16時終了予定

【場所】 完全オンライン開催

【会議内容】

  • 開会、委員長挨拶
  • 事例報告①  北九州市食生活改善推進員協議会 会長 小畑由紀子 氏

事例報告②  農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 

課長補佐(食育総括) 堂脇 義音 氏

3,2023年度「広がれ、子ども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

  1. 推進会議(都内開催)は年4回実施。第1回:5/15 第2回:7/5 第3回10/17
  2. 食でつながるフェスタは東京での全国集会を実施。

     東京:8/11 にて開催

     休眠預金での実施:長野(10/6-7)山口(10/27)北海道(11/11)鳥取(11月)

+α2022年通常枠実行団体主催を予定(11/22-23宮崎) 愛媛(11/26)

4,こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有

5、推進会議メンバーの皆様より近況報告・意見交換

6,次回開催の日程調整、事務連絡、閉会


2,事例報告

事例報告①  北九州市食生活改善推進員協議会 会長 小畑由紀子 氏

・食生活改善推進員:

昭和20年代に乳幼児死亡率が高いことに問題をもった意欲的な主婦グループが誕生、保健所を中心に主婦を対象にした「栄養教室」が開始。食生活改善推進員の誕生につながる。

・自発的に生まれた本活動が社会的な評価を受け、国の施策に反映された。ボランティアとして「共に勉強し、共に育とう」をモットーに活動、50周年を迎えた際に「私たちの健康は私たちの手で~のばそう健康寿命 つなごう郷土の食~」をスローガンにする。

・「行政機関の行う事業・表示への参画」「住民や他団体との協働」の2本柱をもち、連携により、食生活改善推進員だけではできないことに取り組んでいる。

・活動目標は「食生活・運動・休養」の3本柱。自身の資質を高めるための活動として「拡大会議」「リーダー研修会」も開催。

・「食育基本法」施行時に唯一食生活改善推進員が「食育アドバイザー」に選ばれた。

・全国食生活改善推進員協議会:

全国組織、東京を除いた46都道府県と横浜市・大阪市・川崎市・北九州市・福岡等の5政令指定都市で構成。令和5年度の会員数は1066人、会員増加に向けた活動もしている。

・北九州市食生活改善推進員協議会:

昭和47年発足、北九州市7区から構成。事務局は行政事務局(各7区の栄養士で構成)と協議会事務局(会員)で構成されている。「会員の増加」「健康寿命の延伸」「食育の推進」等を重点目標に掲げ活動し、協議会では試作会の実施⇒各地区への伝播等にも取り組んでいる。「まちづくり協議会」の組織図に食生活推進協議会が明記される等、地域とのつながりも強い。

・実践活動としてふれあい昼食交流会(月1回)や健康料理普及講習会(月1回)にも取り組む。

・一般財団法人日本食生活協会事業:

「おやこの食育教室」「生涯骨太クッキング」「男性のための料理教室」「やさしい在宅介護食教育」等に取り組む。

・全世代に広げよう健康寿命延伸プロジェクト:

「若者世代」には食事の楽しさを知ってもらう、「働き世代」には生活習慣の見直し、「高齢世代」にはひとりにしない・させないこと等を目的にプログラムを策定し実施。

・北九州市栄養改善事業における「食生活改善推進員による訪問事業」:

研修を受講し認定されると「北九州市食育推進アドバイザー証」が発行され、二人一組、ピンプのエプロンを着けて訪問している。訪問時は体重・身長を測定し、今の状況を把握し栄養について学ぶ機会としている。

・北九州市子どもの館:

月一回、おやつを作り配布する活動。(現在休止中)

…他、様々な地域活動やイベントに取り組み、設立50周年には記念事業の実施、2021年度には「東京栄養サミット」にて田中会長が世界に向けて活動を発信された。

質疑

近藤氏)東京に食改がいない理由は?

小畑)東京23区は一つの区の規模が大きすぎて担える組織がいないという判断だときいている。

近藤氏)食改の活動は今の時代に必要な視点だと感じており、東京においてもできると良いなと思う。

事例報告② 農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 

課長補佐(食育総括) 堂脇 義音 氏

・食品アクセス問題の関心の高まりの背景:

  • 金銭的な理由でアクセスできない人が増えている
  • 物理的にアクセスが困難な人が増えている

・食糧安全保障の強化に向けた政府の動き:

*ロシアのウクライナ侵略等、食糧安全保障についての総合的な検証、見直しに向けた検討が「食料・農業・農村基本法」制定後20年間で初めて行われている。

*岸田内閣において、農林水産施策の4本柱の一つに「④食料安全保障の強化」があげられ、輸入依存からの脱却、平時でも食にアクセスできる環境の整備について触れられている

・食糧安全保障を取り巻く環境の変化:

物流の2024年問題、人口減少に伴う不採算地域からの流通業の撤退、貧困・格差の是正

⇒上記を踏まえ、「全ての国民が健康的な食生活を送るための食品アクセスの改善」を含めた「食料・農業・農村基本法」の見直しが動いている。

・来年度の予算化の動き:

・例1)「食品アクセス確保対策推進事業」

関係者があつまる協議会の設立を支援、現状把握と課題解決に向けた方策立案をし、横展開を目指す

・例2)「食品アクセス支援団体活動支援事業」

地域で食糧の提供等を担う団体の新規立ち上げや取扱量拡大に向けた活動支援

・例3)食品ロス削減・プラスチック資源循環の推進

フードサプライチェーンにおける課題解決や未利用食品の提供等を通じた食品ロス削減の取り組み(および農林水産業・食品産業におけるプラスチック資源循環の取り組み)を支援

⇒上記等の事業により、質・量ともに食品アクセスの体制構築に取り組む

質疑

平野氏)本日ご参加の鳥取市・川口様、山口・今村様が本施策の実施に向け動かれている

川口氏)広域で食支援の体制整備に取り組んでいる。先週物流事業者と関係機関に入っていただき会議を開催、地域協議会の立ち上げが決まりそう。

今村氏)山口の方でも食糧支援の活動を更に広げたいと思っている。

堂脇氏)当課としても連携しながら活動を推進したいと思っている。


3 2023年度「広がれ、子ども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

  1. 推進会議(都内開催)は年4回実施。本日3回目。次回2月頃開催予定。

2)食でつながるフェスタは東京での全国集会を8/11に実施した。

ほか、休眠預金で10/6-7に長野に開催した。山口では10/27、北海道では11/11、宮崎では11/22-23、愛媛では11/26、鳥取では12/15に開催が決まっている。


4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有

1)餃子の王将フードサービス様「夏休みお子様弁当寄贈」

全国2,000団体に周知、10万食を超えるマッチングができた。

*情報拡散にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

2)こども家庭庁「ひとり親家庭等子どもの食事等支援事業」について

助成事業:114団体、1億3800万円

活動支援事業:128団体、5520万円(予)*お菓子、日用品を増やしている

*広報、実施に取り組んでいただいている皆さま、ありがとうございました。

3)こども家庭庁「見守り体制強化促進のための広報啓発事業」について

食を通して個別の見守りに取り組まれる団体様の事例を紹介、前回の内容の更新&新たに事例を追加予定。

ベタニヤホーム:フードパントリーに訪問したが、明るい声掛けが印象的で、ネイルの無料体験等のイベントがあった。食ロス対策、および食支援の活動として、食支援ネットワーク「ごっつぁんすみだ(仮)」が進んでいる。

ふれあい食堂&のんびりカフェ:

地域食堂、参加者の6~8割は高齢者。ふれあい食堂のボランティアとして関わり始めた佃氏がのんびりカフェを開催。支援が必要な事例につながった際には地域包括ケアシステム推進協議会にて共有している。

のんびりカフェ:月1回、児童館で開催。ろうの方、手話ができる方、様々な方が参加。途中で地域の方から柿の差し入れがあるなど温かい雰囲気。「言ってみれば実現できる」ということで子ども達の自信にもつながっている

大門氏:ふれあい食堂に参加した子どもが「あれしたい、これしたい」と言った内容を佃が実現した。ひとりひとりが役割と出番をもって活躍してもらっている

4)「行政・自治体×食糧支援の仕組みづくりの意義について~ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム学習会~」を開催

北海道~石垣島まで、全国各地から参加。とくに熊本県の導入事例が参考になったという声があった。ネットワーク型の地域基盤の作成の必要があることが改めて分かった。

5)「配送・保管支援を通じた社会貢献をはじめませんか」交流セミナー開催

保管・配送の課題を知ってもらい、課題解決につなげることを目的に開催。物流事業者による支援事例では、「大変なことはない」という発言があり、改めて感謝の気持ちを伝えていくことが重要だと学んだ。また支援物流事業者からは社員も巻き込みながら価値を共有する重要性が述べられた。


5,推進会議メンバーの皆様より近況報告・意見交換

情報提供・山内氏

・中央共同募金会の助成金情報:こども食堂支援

6、事務連絡、閉会

事務連絡・全国食支援活動協力会

・キユーピーみらいたまご財団助成について:申請期間10/23(月)~11/20(月)

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・11/3(金・祝)10:00~12:20 「地域の居場所づくりサミット」

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・10/20(金)13時~17時 「支え合いをひろげる住民主体の生活支援フォーラム」

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*次回は2024年2月頃開催予定