第21回「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」開催

2023.07.07

2023年7月5日、第 21 回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

 こども食堂が安定的に・持続可能な形で広がることを目指し、子ども支援団体が分野を超えて情報交換や協議・連携できることを目的に、子ども支援に関わる多様なセクターから活動者、支援者、専門家が参加して開催をしています。

 今年度2回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」は新型コロナウィルスの感染対策規制の緩和を受け、約1年ぶりに会場とオンラインのハイブリッド開催をいたしました。子どもたちが安心安全に日々生活を送れるよう、多様な活動を支援団体の皆さまと共に我々も日々精進してまいります。

 第21回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、2名の方にオンラインと会場でご登壇いただきました。

  • NPO法人つづら 倉田恭子 さん 
  • 特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク

                    理事長 栗林知絵子さん

 お忙しい中ご登壇頂き、感謝申し上げます。


開催日時】7月5日(水)14時~16時

【会場】東京ウィメンズプラザ+オンライン

【会議内容】
1 開会、委員長挨拶
2 2023年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

1) 推進会議(都内開催)は年4回実施。第1回:5/15 第2回:7/5

2) 食でつながるフェスタは東京での全国集会を実施。

東京:8/11にて開催

休眠預金での実施:長野(10/6-7) 山口(10/27) 北海道、鳥取(11月)+α

2022年通常枠実行団体主催を予定

3 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有

4 事例報告① 講師:NPO法人つづら 倉田恭子 氏

事例報告② 講師:特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 理事長 栗林知絵子 氏

5 トークセッション「生活支援について」

 登壇者:東京都ボランティア・市民活動センター 山崎美貴子 氏

     特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 栗林千絵子 氏

     気まぐれ八百屋だんだん/だんだんこども食堂 近藤博子 氏

     一般社団法人全国食支援活動協力会 平野覚治

6 参加者の皆様より感想共有

7 次回開催の日程調整、事務連絡、閉会


2  2023年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

 食でつながるフェスタは東京での全国集会を実施。(8/11金・祝)

 休眠預金事業での実施: 10/6-7 (NPOホットライン信州)、 10/27(フードバンク山口) 

11月(北海道国際交流センター、鳥取市地域食堂ネットワーク)、

+α 2022年度通常枠実行団体主催を予定(11/22-23 宮崎、他日程調整中)


3  こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有)

・食のある居場所支援プラットホーム構築プロジェクト(仮称)学習会開催

6/30開催「地域の共助をデザインするとは?」~地域プロデューサーの視点を知る~

株式会社umariの古田秘馬様にご登壇いただき、テーマについてご講演いただいた。

その後、古田秘馬様(株式会社umari)、佐々倉玲於様(一般社団法人いなかパイプ)、平野覚治(一般社団法人全国食支援活動)でトークセッションを実施。

・ロジハブ説明会 開催のお知らせ

開催済:青森 7/3 13:30~16:00

開催予定:東京 8/10 14:00~16:30 


 事例報告① 講師:NPO法人つづら 倉田 恭子 氏

・自己紹介

・愛知県長久手市で活動 人口6万1千人 平均年齢が一番若い町

・団体設立の経緯

→ちょっとした困りごとに対し、「何かできることはないか」ということで、「つづら」ができた。

・事業内容

  • 自費デイサービス、高齢者就労支援等の事業
  • つづらBar

→500円と好きなお酒を持ってきてみんなで飲んだり、自分の得意なことを話したりする。

 得意なことを地域で生かす取り組み。

  • ごじょごじょ一座 

→子どもから大人まで(10-70代)がごじょごじょ集まり、小さなことからお互いに助け合う関係性をつくる。

  • ごじょごじょあん

→誰でも参加できる場所。自力で来れない方向けの送迎支援もある。

お互いがお互いの違いを楽しみ、みんなが楽しく過ごせる場所。

  • ごじょごじょの木

大人が楽しい時間を過ごすために子どもにプレゼントする仕組み。

大人が1枚100円で葉っぱを買い、子どもがごじょあんで過ごした時間を手紙に書いて木に貼る。

・活動を通し、これからも楽しい時間を増やしていきたい。ここでの笑顔を増やしていきたい。

・一人でできなくても誰かと一緒ならできるかもしれない。できることもできないことも、みんながごじょごじょと集まってできればよい。

事例報告② 講師:特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク

理事長 栗林 知絵子 氏

・自己紹介、団体概要

・WAKUWAKUすまいサポートの取り組み↓

・家庭でも学校でもない第三の居場所づくりを行っている中で住まいの困りごとが多かった。

・家庭環境が脆弱になってきている中で、豊島区の空き家を活用し、空き家と狭い部屋で住んでいる親子をマッチングしようということで取り組みが始まった。

・2020年に東京都居住支援法人を取得し、活動が開始。主にひとり親、外国ルーツ世帯を支援している。「空き家を利用して町中に子ども部屋を増やそう」がテーマ。

・としまフードサポートプロジェクトで困りごとを書いてもらい支援を行う。

・みんなが連携して困っている人を支援する。困っている人をほっとけないというおせっかい精神ですまいをサポート。

・すまいサポートの基本支援は、引っ越しをしたらまず地域につなぐこと。

・ひとり親のすまい探しや外国ルーツ家庭のすまい探しだと様々な問題が生じるが、すまい探しを一緒に行うことで問題も解決でき、地域コミュニティにつなぐところまで支援ができる。

・住宅困難者の住み替えだけでなく、そのあとの見守りまでやることが重要。

・持続可能な誰一人孤立しない社会をおせっかいの輪でつくっていきたい。

・コロナ禍で不登校や若者の自殺が増えていたことから、中学校と連携し、学校のなかに居場所をつくった。不登校になっても第三の居場所につなげることができる「2.5の居場所」にしたい。


5 トークセッション「生活支援について」

平野「生活支援の対象はどこまで広がっていくのか」

栗林氏「行政と一緒に行う食料支援は18歳までが対象。団体としては大学や専門学校卒業するまで来てほしい。支援を受けた方がおせっかいとして支援する側に回り、今まで地域と関わりがなかった方が今は楽しく地域に関わっているという事例もある。この方たちは今後、独居高齢者になる可能性もあるので、今のうちに地域とつながりをつくっておくことが大事だと考えている。」

平野「最初は食料支援だったのが、今は自立の支援に向かっている。」

栗林氏「子どもたちの最善の利益のために活動するのが団体のミッション。子どもと親の両方がつながっていくケースが多いが、親よりも子どもの意向から活動していくことを理念としている。」

平野「他の活動を見ていると、活動が面で広がっていくものもあるが、栗林さんは豊島で完結するネットワークをつくっている。その発想は誰と思い付いたのか。」

栗林氏「おせっかいな団体だから、その地域でしかできない。ずっと伴走する関係性をつくるのは離れすぎていると難しい。他の地域には他の活動をしている方がいるので、知識等は広めていけたら良いが、自分たちはあくまでも豊島という地域に徹している。」

平野「ハードな方の対象が広がっているが、その方たちの生活支援は行政の皿に乗せればいいわけではない。その方たちの生活を支えるのはかなり大変だと思う。そこに立ち向かう勇気はどこから来ているのか。」

栗林氏「色んな人がいるから楽しい。団体としても誰も排除しない。だからこそWAKUWAKUらしい。自分たちは小さな活動しかできないが、小さな活動が増えていくことで社会の色が変わっていくと思っている。

困ったらすぐに相談するようにしている。相談する力は小さい時にみんなに育てられて見につけた。今、食料支援に来ている親子も地域のみんなが歓迎している。みんなが出会うことを楽しみにしている。この街には自分を受け入れてくれる人がいるという感覚が大切。子どもが堂々と食料支援に行き地域の人とつながれば、困ったらこの町の人に相談したら良いと思えるようになる。自分が大切にされたから地域の誰かを大切にできる。そういった積み重ねで共生社会ができていくのではないかと考えている。」

平野「栗林さんが先日、子どもの貧困対策法10周年のイベントに参加されていた。栗林さんの中では豊島もあるけど、子どもの権利に立脚しているということか。」

栗林氏「子どもの貧困は子どもの力ではどうにもできない。その問題を生んでしまった大人が向きあわなければいけない問題である。大きなイベントに参加する団体は大きな団体が多い。大きな団体だと現場の声を生で聞く機会が少ない。地域で活動している自分たちだから生の声を届けられる。そういった場には私たちのような団体が必要だと考えているから参加した。」

栗林氏「みんな予算の拡充を訴えていたが、予算が上がったら困っている親子の社会資源は増えるのか。大切にされる環境は増えるのか。貧困は経済的なものだけでなく人的資源(経験をすること)も解決に向かう必要がある。だから私たちの活動は大切。地域の私たちがプラットフォームになって見守っていく。その充実も必要だと訴えた。」

平野「二つの貧困の中で関係性の貧困が大事という話がでた。だんだんの近藤さんが学習支援を行っている。お話を聞きたい。」

近藤氏「子どもたちの経験というところだと、色んな大人がいるということを知るのが大事だと考え、大人図鑑という取り組みを続けている。紆余曲折あって今の仕事についている大人を探してワークショップを開き、色んな生き方をして良いのだと子どもたちに伝えている。その場で様々な悩みを話してくれる若者がいたりして、カフェでつながったりしている。」

平野「青森社協の葛西様の活動で、親から見放された若者を引き取って自立支援がある。2.5の居場所というのは、その人を見守るネットワーク、支援している人の善意で成り立っているのではないか。」

栗林氏「豊島区居住支援法人は早くからあって、主に高齢者支援をやっている。自分たちは若者を違う居住支援につないでいる。地域でしっかりと人につなぐことが大事だと考えている。」

山崎氏から総括のコメント

栗林氏から総括のコメント


6 参加者の皆様より感想共有


7 次回開催の日程調整、事務連絡、閉会

次回開催:10月17日(火) 14:00~16:00 会場とオンラインで開催予定