第24回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」開催

2024.05.22

 2024年5月20日、第 24回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

 子ども食堂全国ツアーを発端に、子ども食堂に限らないその他の活動や中間支援活動と連携していくネットワーク形成を目的に発足した会議開催しております。

 2024年度初めての「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」は前回と同様、オンライン開催でした。

ようやく寒い日々が終わり、夏らしい日が始まってきています。急な暑さと熱中症に注意が必要な天気となりました。子どもたちが安心安全に日々生活を送れるよう、多様な活動を支援団体の皆さまと共に我々も日々精進してまいります。

 第24回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」では以下の2名の方にご登壇いただきました。

一般社団法人北九州未来づくりラボ 理事長 宮地弘行様

一般社団法人ヤングケアラー協会 代表 宮崎成悟様

 宮地様からは地域の空き家を再生し、住まいや居場所に困っている人に提供する『にぎわいづくり事業』、そして空き家を所有している人と住まいに困っている人を繋げる『すまいづくり事業』についてお話しをいただきました。

 宮崎様からは『ヤングケアラー当事者の人生から考える支援のあり方』についてお話しいただきました。

【日時】2024年5月20日(月)14時~16時

【場所】 完全オンライン開催

【会議内容】

①開会、委員長挨拶   

②2024年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について 

1)推進会議(都内開催)は年4回実施。第一回:3/18、第二回:5/20

2)食でつながるフェスタ

③こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について

1)2023年度制作ツールのご紹介

2)MoWSA(ミールズ・オン・ホイールズ南豪協会)との交流プロジェクト

3)ロジハブ説明会@福岡開催のお知らせ

4)地域の居場所づくりサミット開催のお知らせ

5)【消費者庁】食品寄附等に関する官民協議会

④事例報告

1)一般社団法人北九州未来づくりラボ 理事長 宮地弘行様   

2)ヤングケアラー協会 代表 宮崎成悟様

⑤推進会議メンバーの皆様より近況報告・質疑応答

⑥次回開催の日程調整、事務連絡、閉会

【記録】

②2024年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

  • 推進会議

推進会議(都内開催)は年4回実施。今回が第1回目となり、次回は8月頃に開催予定。

  •  食でつながるフェスタ

 食でつながるフェスタは、今年度は休眠預金事業の実行団体が活動する北海道、青森、千葉、愛媛、高知、福岡、長崎の地域にて関係機関や団体とともに開催予定。昨年8地域でアンケートをしたなかで居場所を運営するための場所の確保や食材の確保、担い手の育成など団体側のニーズを把握することができ、関係者と課題を共有しながらテーマ設定を行う予定。

③こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有

  • 「2023年度制作ツールのご紹介」

 令和5年度こども家庭庁「見守り体制強化促進のための広報啓発事業」にて制作したガイドブックを紹介。資料や関連サイトはこちらをご参照ください。

  • MoWSA(ミール ズ・オン・ホイールズ南豪協会)との交流プロジェクト

 1983年にMoWSAとの交流が始まり、2001年9月に友好協定締結され、「アイデアを分かち合う」「互いの組織の相互発展を目的とする定期的な情報交換を行なうこと」「定期的な対話を継続する」が決定された。2024年9月、相互交流40周年記念にあたり、MoWSAボードメンバーが来日し豪日合同シンポジウムを開催予定。

  • 5月23日ロジハブ説明会@福岡開催のお知らせ  詳細はこちら

内容:「食支援プラットォーム形成について」講演、「物流がひらく地域の未来について」リレートーク 

  • 地域の居場所づくりサミット開催のお知らせ

 子ども食堂などの活動の定着を目的に、展開事例紹介や団体同士のネットワークづくりにつながるセミナーを開催予定。詳細はこちら

  • 【消費者庁】食品寄附等に関する官民協議会

 全国食支援活動協力会専務理事平野覚治が本協議会の構成員に就任し、「食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ」において策定が必要とされる食品寄附に関するガイドライン等について、官民一体となって、法的・技術的・経済的な課題や解決策を協議し、取りまとめる場が設立された。

④事例報告

1) 一般社団法人北九州未来づくりラボ 理事長 宮地様

・自己紹介:建設会社で勤務していたが、空き家の増加と定収入者に提供できていない現状をしり、このような課題をどうにかしたいと考え、一般社団法人北九州未来づくりラボを設立。

・構成:理事長と理事2名+会員22名。会員は、銀行や不動産屋、弁護士、司法書士、土業の方も含まれている。

・活動内容:地域の空き家を再生し、住まいや居場所に困っている人へ提供。

「にぎわいづくり事業」

背景:高齢化と若者の上京増加による空き家の増加。

・活動内容:建て替え案があった団地に目を付けたのが最初。その団地内にある倉庫で1店舗だけ営業を継続していたことを知り、営業を継続しいている店舗を中心に活性化させたらどうかと考えマーケットを開催。マーケットも最初は、スーパーのようなマーケットを開催したが不評。理由としては、「重いものを持って帰るのは大変」などだった。この反省を生かし次は、飲食店を集めたマーケットを開催。これは、とても好評だった。

 そこから、体験型を入れたマーケットなどを開催。体験型は利用者にとても好評であった。理由として、体験型(ハンドマッサージ体験など)を行いながら相談会も行っていたからだ。ここから、環境を提供することを活動の軸におくようになった。このようなマーケットに、企業の方が参加するようにもなった(スーモの方が来て勉強会を開催など)。地域行事への参加も始めた。

 この時くらいから、横とのつながりの大切さを感じ地域連携を強化していった(地域の方が午前中に行っているマーケットの夜の部の運営を行うなど)。マーケット開催時に、朝礼の場を設け近況報告や今後について会話することを行っている。これは、今後も継続して行っていきたい。今後は、居場所を作ることやマーケット開催回数、横のつながりを増やしていきたい。地域のイベントに参加し、アドバイスや協力をしていることを続けていきたいと思っている。

「すまいづくり事業」

・背景:多様な問題(大家さんが滞納や孤独死への対応が面倒である、仲介手数料が低額など)で売ることができない家の増加に加えて、定収入の方や外国籍の方など住まいに困っている人がいることが把握できたため。2024年には、3件に1件は空き家になる社会問題もある。

・活動内容:空き家を所有している人と住まいに困っている人を繋げる活動にくわえて、見守りサポートも行っている。

実例1:「小規模の児童養護施設と契約を行いたくないといわれた」というご相談をいただき空き家を提供するサポートを行った。

実例2:「家の処分を試みる老夫婦が、空き家を不動産屋に売却しよう思ったが、不動産会社が売却時の仲介手数料で利益もらえないものでと断られた」と相談をいただき、海外実習生の家を探している方がいたので、当会で紹介した。

・課題:マッチングできるかどうかが課題としてあげられる。

・対処: ネットワークを作ることが大切なのではないかと思っている。

・募集していること:空き家情報、空き家を活用した社会貢献の人の状況を教えてほしい。

2) 一般社団法人ヤングケアラー協会 代表 宮崎様

・自己紹介:2019年にYancle株式会社を設立後、一般社団法人ヤングケアラー協会を同事業で設立。現在は、10名ほどで活動中である。(ほぼヤングケアラー経験者で多様な資格を持っている方たちで構成されている)

・事業内容:相談窓口、進路や就職窓口も、調査に関与、サイト運用など多様な事業展開し、当事者・情報・自治体がつながれる活動を実施中である。

・掲げている理念:ヤングケアラー(18歳未満ということばが無くなった)が自分らしく生きられる社会へ

・ヤングケアラーの増加理由について:以前は、サザエさんのような多世代家族が多かったので、叔父が不調になったら、2世代目の方がサポートするなど子どもたちがサポートすることが少なかった。しかし、単世代家族が現在増加していることから、サポートは子どもたちが行うことになる。このことにより、ヤングケアラーが増加している。

・日本の現状:ケアを必要とする人を中心とされている制度は整備されているが、サポート側の制度は不足している。そのため、ヤングケアラー増加になるのが課題である。

宮崎さんの過去から今の活動に至るまで:

 父と母、2歳上の姉と4歳下の弟の5人家族の中に生まれた。宮崎さんは15歳(中学3年生)の頃から、17年間ケアラーとして生きてきた。母の急病により宮崎さんの人生が自分中心ではなく母中心の生活へと変化していった。その人生の中では、大学進学を諦めたり、友人関係を断ち切ったりと壮絶な人生を歩んできた。

 その人生の中で、母の往診に訪れていた医師の方に自分(宮崎さん)の事を気にかけてもらえた事が嬉かったと話していた。また、就活中は、母の介護しかしていなことから自分の強みがないことに悩んでいた。しかし、ヤングケアラーの存在が10万人ほどにいるという記事で読んだことをきっかけに自分の経験が強みに変わり、今の活動を始めた。

・課題からの宮崎さんの考え:大きな支援を必要とする人へ支援は整備されているが、真ん中以下の人への支援が整備されていないので、ここに大人の人が介入することが大切なのではと考えた。また、実態験から、サポートする人へ気にかけてくれる存在がいる事も大切だと思った。

・支援上で大切にしていること:長期的な目線で支援すること、横の繋がりを大切にすることである。

・今後進めていきたいこと:糸を垂らしていきたい(支援が欲しい人が紐を引っ張れるようなものを作っていきたいということである)。

*質疑

近藤氏)「糸を垂らすこと」この言葉に共感。問題を解決することは簡単な事じゃないと思う。そこで、私はフックを作れればいいなと思う。どんな状況も繋がれるものがあれば、良い方向に繋がるのではないのかなと思うからです。

宮崎氏)成蹊大学の澁谷先生が「どうにかやり過ごせるために、つながりは大切であると思う」と話していて、問題を解決するのではなく居場所を作ることの大切さ感じました。

山崎氏)人生の中で、1番力になったものを教えてほしい。

宮崎氏)外出できない時に行っていた読書が力に繋がったのだと思う。

平野氏)住宅が福祉に資するのではないかと感じた。若者の方が住まう上での問題に関する仕組みはあるのか。

未来)施設にいる人は18歳過ぎると支援から外れるのでそのような方を対象とした支援はしたいが、仕組みがあるかはこちらも分からない。

平野)新宿の巡回活動に同行した際に、ネットカフェで寝泊りしてるい人が沢山いることをしり、住むところの制度を整えたらいいのではないかと思ったから質問しました。

宮地氏)今、私が会議に参加している所の上にも寝泊りできるところがあって、平野さんが言っているような方が一時的に安価で寝泊りできるようになっている。しかし、少人数の方しか寝泊りできないので今後は、ネットカフェにいるような若者が来られるような活動を「石坂ベース」という企画名で企画中です。

平野氏)細い糸を垂らしていくことが大切だと思ったので話しました。

⑥次回開催の日程調整、事務連絡、閉会

次回の推進会議は8月9日(金)に開催予定。