第25回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」開催
2024.08.16
2024年8月9日、第25回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。
子ども食堂全国ツアーを発端に、子ども食堂に限らないその他の活動や中間支援活動と連携していくネットワーク形成を目的に発足した会議を開催しています。
2024年2回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」もオンラインのみの開催となりました。刺すような厳しい日差しや蒸すような暑さに夏の終わりが見えなくなるような天気が続いています。熱中症や脱水症状に引き続き注意しながら子どもたちが安心安全に日々生活を送れるよう、多様な活動を支援団体の皆さまと共に我々も日々精進してまいります。
第25回「広がれ、子ども食堂の輪!推進会議」では以下の2名の方にご登壇いただきました。
認定NPO 法人フードバンク北九州ライフアゲイン 理事長 原田 昌樹 様
農事組合法人共働学舎新得農場 代表 宮嶋 望 様
原田様からは食を通じて地域全体で子育て支援を行う北九州モデルについてお話しをいただき、宮嶋様からは酪農やチーズ生産などの農業を通して多様な困難を持った人々が一緒に働くことのできる場づくりについてお話しいただきました。
【日時】 2024年8月9日 13:00~15:00
【場所】 オンラインのみでの開催
【会議内容】
1 開会、委員長挨拶
2 次回開催の日程調整
3 推進会議メンバーの皆様のご紹介
4 2024年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
- 推進会議は年4回実施。第1回:5/20、第2回:8/9
5 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有
- MoWSA(ミールズ・オン・ホイールズ南豪協会)との交流プロジェクト
- 王将フードサービス夏休みお子様弁当配布
- 食品衛生・寄贈食品取扱いの注意喚起
6 登壇者による事例報告
- 事例報告① 講師: 認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン 理事長 原田 昌樹氏
- 事例報告② 講師: 農事組合法人共働学舎新得農場 代表 宮嶋 望氏
7 推進会議メンバーの皆様より近況報告・事例について感想
8 閉会
【記録内容】
5 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について
1. MoWSA(ミールズ・オン・ホイールズ南豪協会)との交流プロジェクト
2024年9月にMoWSAとの相互交流40周年を記念して9月26日に日豪のシンポジウムを開催。
日豪シンポジウムの詳細はこちらから
シンポジウムに向けて政策や現状の相互理解を目的とした日豪共同の勉強会を開催。
これまでに第1回:食支援活動の価値について/第2回:高齢者の介護予防/第3回:配食サービスのキッチン現場や食事についてというテーマで開催。現在、第4回を調整中。
2. 王将フードサービス夏休みお子様弁当配布
取りまとめ団体を通じて子ども食堂・母子生活支援施設・児童養護施設・児童館等にこの夏休みで計10万食を提供予定。2021年から計10回開催し、累計65万食の提供。
今回の提供はアサヒ飲料株式会社からのご賛同をいただき、カルピスウォーター1缶を1食ごとに提供。
3. 食品衛生・寄贈食品取扱いの注意喚起
こちらからこども食堂安心手帖をご参照ください
・食品衛生
夏は気温が高いため食中毒に注意
・寄贈食品の取扱い
食品提供または譲渡に関する原則/関係者間のルールづくり/提供食品の品質・衛生管理など
6 登壇者による事例報告
事例報告① 講師:認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン 理事長 原田 昌樹氏
ライフアゲインは「すべてのこどもが大切にされる社会」とされる社会をめざし、
市内の産官学民が一体となって連携し、子どもたちの負の連鎖が断ち切れ、他の地域が真似できるような北九州モデルの構築を行っている。
【活動を始めたきっかけ】
奥様と15年間里親として子どもを養育。大人に対して10年間黒崎駅前で夜回り活動を行う。
家族のつながりと家族をとりまく地域のつながりを重視
→(特に乳幼児期においての)養育支援だけではなくまちづくり(親子を孤立させないまちづくり)も同時に行わなければならないと認識。
【活動概要】 フードバンク事業/ファミリーサポート事業/地域子ども支援事業
【ファミリーサポート事業】
まず8000の相対的貧困のひとり親母子世帯とつながる
北九州市と連携し、児童扶養手当受給者への連絡の際に案内を同梱
6000の相対的貧困のふたり親世帯に対して教育委員会と連携し就学手当に案内を同梱。
食糧支援をベースとしてつながり、信頼関係を構築したのち、LINEに登録していただき情報を連携しながら見守る。(2024年8月時点で3400世帯が登録)
パートナー施設125団体と連携(子ども食堂、児童養護施設、障がい者施設など)
【地域子ども支援事業】:子どもたちのステップに合わせて切れ目なくつながれるような支援
乳幼児期:ホームスタート事業/家庭訪問型子育て支援
↳児童期:子ども食堂/多世代交流の地域で作る居場所
↳思春期:学習支援/無料学習塾
↳青年期:就労支援
孤立させない共助のまちづくり
血のつながりない単身者をどのようにつなげるのか:単身世帯の増加(2020年は約4割)
地域社会の問題:老々介護・認認介護・孤独死・空き家問題
家庭内の問題:ひとり親世帯の増加・共働き・子どもの孤食・経験貧困
→①助けてが言えて②家族的な助け合いができ③まち全体で子どもを育てるまちづくりを
食を通じて行う
事例報告② 講師:農事組合法人共働学舎新得農場 代表 宮嶋 望氏
【活動概要】
NPO法人になる前から農事組合法人として活動。1974年宮嶋様のお父様が創設。
障がいを持った方が生活できないという相談が50年前からあり、自労自活を目指し事業を開始
障がいも含めた多様な困難を持った人々が集まり、現在60人(うち半数が問題を抱えた人たち)のメンバーと酪農、チーズ・有機野菜生産、工芸を行っている。
木造の宿舎はメンバー全員で建設作業を行った。
【負担を抱えた人たちと生きることとチーズづくりの共通項】
人も生き物も生きているから生きるエネルギーをもつものにとって生きている場をつくっているのではないか。
そこで炭を利用してエネルギーが循環するいきいきとした場をつくろう
→十字炭埋技術を利用してエネルギーの流れを作る
エネルギーが循環するいきいきとした場では、困難を抱えているかどうかも関係なくみんな一緒に自分の役割をこなし、作業を行っている。
ヨーロッパからの留学生、自閉症の方、息子様など多様な人が作業を通してかかわりあっている。
【質疑応答】
廣崎氏)
共働学舎には多様な人が集まる分、トラブルもあると思う。どのようにコーディネートしているのか。
宮嶋氏)
まず否定しない。人と関わらない生産現場もあるので、来られた方にやりたいようにやってもらう
また自分から仕事をしたいと思ってもらうまで待つ。自分で考え行動したことに責任持ってもらえるよう教え方にも工夫が必要。