第 17 回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」開催

2022.08.22

8月19日、第 17 回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」を開催しました。

 こども食堂が安定的に・持続可能な形で広がることを目指し、子ども支援団体が分野を超えて情報交換や協議・連携できることを目的に、子ども支援に関わる多様なセクターから活動者、支援者、専門家が参加して開催をしています。

 今年の夏も猛暑が続く日々になっております。この夏は新型コロナウイルスによる感染者も多く、予定通りに活動ができない団体もいらっしゃるかもしれません。今年は久しぶりの対面で推進会議を開催することになりました。こども食堂の存在が地域を巻き込んだ「みんなの居場所」になりつつあるのを実感しております。まだ暑い日々が続くかと思いますが、我々も支援団体の皆様と共に、暑さに負けず、日々突き進んでまいります。

 第17回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、オンラインで、2名の方にご登壇していただきました。

  • 特定非営利活動法人U.grandma Japan 代表理事 松島陽子 さん
  • 一般社団法人こどもキッチンブルービー 代表理事 松枝清美 さん

全国各地で自然災害による被害が出る中、いつ自分の住んでいる地域でも災害が起こるかわかりません。今回、愛知県での豪雨災害と熊本県の震災経験から、当時の思いや支援活動、互いの顔が見える関係性があるからこそ、こども食堂が災害時の防災拠点としてなりうること、災害時の物流課題解決としてロジハブシステムに可能性があることなどお話しして頂きました。

 お忙しい中ご登壇頂き、感謝申し上げます。

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【開催日時】2022年8月19日(木)14時~16時

【会場】飯田橋レインボービルB会議室 もしくは ZOOM のハイブリッド形式

【会議内容】
1 開会、委員長挨拶
2 事例報告
3 2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有)
参加者からの情報提供

6 次回開催の日程調整、事務連絡、閉会


2 事例報告①  講師:特定非営利活動法人U.grandma Japan 代表理事 松島陽子 さん

・平成30年の豪雨災害の際に、若い母親たちの物資支援の姿に影響を受け、自分たちに何ができるか考え、支援をしたいとの思いから、同級生5人で団体を立ち上げた。翌年法人化。
・2018年に起きた豪雨災害では、長期にわたる断水の影響を受けた。行政と連携しながら、各場所で炊き出しを行い、2か月にわたり1万8千食のコーディネートをした。炊き出しに必要なものは個人・企業の持ち出しだった。
・ボランティアの負担で行っていた活動のため、断水による長期化により、負担が増加したため、2か月後には食事支援の活動の終了を決断。
・豪雨災害の支援をしていく中で、コミュニティーが大切だと感じた。自分たちの町では、自治会や地域の人々と助け合いができているか不安を感じ、これを解決するために、食を通したコミュニティーづくりをするため、こども食堂を始めた。
・災害の経験から、情報共有することが大事であると学んだため、こども食堂連絡協議会を発足し、毎月開催。行政・地方局と共に課題を共有しながら、防災の観点からの活動もしている。コロナ禍のため、現在はフードパントリーの活動などもしている。
・地元企業が少ないため、企業支援が少ないのが課題であったが、ロジハブシステムを導入したことによって、全国からの支援を受けることができ、支援の幅が広がった。
・こども食堂の場所は顔の見える関係だからこそ、災害が起きた時に、防災拠点になりうる。
・当時支援物資倉庫として使っていた場所が、こども食堂となり、地域食堂となり、みんなが集まる居場所になっている。

事例報告② 講師:一般社団法人こどもキッチンブルービー 代表理事 松枝清美 さん

・出産を境に、母親やこどもを支援したいと思い、地域での子育て支援拠点としてコミュニティースペースをオープン。
・ワークショップを中心に活動していたが、孤食と廃棄野菜の問題から、ママたちの拠点から、地域の居場所をつくるため、こども食堂を立ち上げた。こども・地域食堂の開催、ひとり親・困窮家庭の食支援、野外活動、フードロス削減に取り組んでいる。
・2016年におきた熊本地震では、食堂にあった食品を炊き出しとして提供し、家にいるのが怖いと思う親子や、地震の影響からこどもたちの遊べる場所がなくなっていたため、そういった方たちの居場所として、こども食堂の場を提供していた。
・災害の支援では、支援が少ない仮説住宅への物資支援を行ったが、物資の仕分け作業は大きな労力が必要だった。
・自力で住居を確保できない人に無償で提供されるみなし仮説入居者たちへの食事提供や南阿蘇村の復興祭りの売り上げを全額被災支援に寄付をした。
・2018年におきた西日本豪雨災害では、ロハスさんと連携し、物資支援を行う。
・2020年の熊本県南部豪雨水害では、冷蔵庫の購入や炊き出し、家を失ったひとり親の個別支援などを行う。
・こども食堂は日頃からの地域の人々や関係各所のつながりから、防災拠点になりうる。いつか起こる自然災害にむけて全国のこども食堂さんにも備えをしていただきたい。
・ロジハブシステムは、災害時の物流の課題にも役立つと考えている。


3  2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について


食でつながるフェスタは3地域での開催の他、東京での全国集会を実施
 推進会議(都内開催)は年4回実施。残り2回可能であればリアル開催をし、直接対談する機会を設けたい。
食でつながるフェスタは3地域での開催の他、東京での全国集会を実施。
東京:7/24開催。ほか香川(9/9)、群馬(10/24)、青森(2/3)にて開催予定。


4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有)

1)厚生労働省「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」について

 今年度は 助成事業:96団体(117,489,000円)/活動支援事業:106団体(67,737,200円)にて採択された。助成事業は多くの団体から申し込みをいただき、活動支援事業は食品だけでなく、学用品や生活必需品の支援も行っている。今後活動の視察もしたいと考えている。

2)厚生労働省「見守り体制強化促進のための広報啓発事業」について

食をめぐる様々な地域の見守りに着目し、実際のノウハウをまとめたガイドブックを作成予定。学習会の開催も予定。

3)王将フードサービス 夏休みのお子様弁当無償提供について

・昨年度に引き続き8月1日から開始し、今回全国の皆さまに10万食の提供のマッチングを行った。
・こども食堂以外にも、児童養護施設や自立援助ホームなど100施設程が新たに追加。
・こどもたちの喜んでいる声が届いており、コロナ禍で外出できない人たちへの配食を行っている団体には 頭がさがる思いでいる。

4)「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」物流課題解決プロジェクトの始動

・物流の全国網をつくるため、物流拠点をつくる取り組みを始めた。災害が起きた時にもみんなで助け合えるようなシステムとしたい。各地で共同配送テストを開始し、一社でなく複数社で配るモデルを全国に広げたい。

5)食支援活動をめぐる中間支援の現状と課題に関する調査の実施について

 今回は中間支援の現状と課題ということで調査をしており、すでに500件以上の団体から回答をいただいている。 期間を8月末で伸ばししているため、引き続きご協力願いたい。


5 参加者から情報提供

〇東京ボランティア・市民活動センター
 8月29日に学習会を開催
子ども食堂関係者向け学習会「子ども食堂と『ひと』の話」 ~仲間づくり 活動のつながり 寄付者とのつながり~ |ボランティア・市民活動の総合情報サイト「ボラ市民ウェブ」 (tvac.or.jp)

〇こどものみらいアクション
9月20日にアンバサダーのつどいを開催(子どもの未来アクション (miraiaction.org)


6 次回開催のご案内

次回開催:11月30日(水)14時~