第 18 回 「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」開催

2023.02.24

 こども食堂が安定的に・持続可能な形で広がることを目指し、子ども支援団体が分野を超えて情報交換や協議・連携できることを目的に、子ども支援に関わる多様なセクターから活動者、支援者、専門家が参加して開催をしています。

 だんだんと肌寒い季節に移り、師走も目前に控え皆さまも季節イベントの準備等、一段とせわしなくなってきた頃かと思います。支援団体の皆さまも体調を崩されぬよう、お身体を大切にされながら活動を共にしていけることを切に願っています。

 

 第18回目の「広がれ、こども食堂の輪!推進会議」では、3名の方にオンラインでご登壇していただきました。今回会議運営サイドは「気まぐれ八百屋だんだん」の場をお借りし配信しておりました。

  • 女性を元気にする会   代表 ゴージャス理枝 さん
  • 香川県立三本松高等学校  校長 泉谷 俊郎 さん
  • クロモンこども食堂   代表 薄葉 聖子 さん

 切れ目のない支援を考える仕組み作りを考える省庁の創設から、食や美を起点とした地域づくりまで、 社会を巻き込みながらご支援をされている大変興味深いお話をご紹介して頂きました。

 お忙しい中ご登壇頂き、感謝申し上げます。

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【開催日時】11月30日(水)14時~16時

【会場】オンライン

【会議内容】
1 開会、委員長挨拶
2 事例報告
3 2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について
4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有)
参加者からの自己紹介・近況報告


2 事例報告①  講師:内閣府大臣政務官 / 参議院議員 自見 はなこ 氏(自民党、医師 (小児科専門医・認定内科医))

・2023年4月に子ども家庭庁を創設するにあたり、子ども目線、NPO等民間団体との協同、自治体との連携の3つの姿勢を大事にされながら、子どもの切れ目のない支援を考える仕組み作りを行っている。
・こども家庭庁設立準備室おいて、こども基本法に基づくこども大綱の策定/こどもや若者から直接意見を聴く仕組みや場づくり/就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針(仮称)の策定/こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)の策定/こども関連業務従事者の性犯罪歴等の仕組み(日本版DBS)の導入に向けた検討/いじめの防止に向けた地方自治体における具体的な取組や体制づくり等の推進    
・活動団体含めた社会全体で次世代の担い手を考えていきたい。

事例報告② 講師:女性を元気にする会 代表 ゴージャス理枝 氏

・2015年沖縄にて女性を元気にする会発足。ビューティーフェアを開催し、地域の困っている声を吸収。冬に着る服がないという声を聞けば古着を地域から集め、食糧に困っている声を聞けばフードドライブ等で食料品を集め必要な人に渡す。個人宅への食料支援では2020年1月5世帯、6月10世帯、11月20世帯、2021年554世帯、2022年10月時点では610世帯に提供した。
・母子生活支援施設の入所者には自身のエステティシャンとしての技術で支援をし、児童養護施設には自身もサンタクロースの恰好でプレゼントを毎年配っている。
・出会う女性が抱えている問題は多様。まずは食を届ける活動によりつながり、そこでのヒアリングをもとに必要な機関(生活保護課、社会福祉協議会等)へ仲介・同行することで、生活改善や自立支援を行っている。
・ゴージャス理枝という名前も困っている人が見つけやすいようインターネット検索をかけやすくする為。

事例報告③ 講師:香川県立三本松高等学校  校長 泉谷 俊郎 様

・「三高みんなの食堂プロジェクト」ゆっくりと時間をかけて地域の大人を作る取り組み。2020年に活動を開始し、強制力のない自主活動としているので、生徒は部活動に所属しながら取り組んでいる。
・「自分たちの手で盛り上げる」を目標に掲げ、大学やPTA、農業法人等様々な地域の機関と連携しながら生徒はメニュー開発、総務、広報等を行っている。「食の活動でまちを活性化すること」と先輩から受け継いでいる大きな目標がある。
・学食では珍しく地域の高齢者を招待し地域に開かれた食の居場所となっている。

事例報告④ 講師:クロモンこども食堂 代表 薄葉 聖子 氏

・2015年より北品川区で子ども食堂の活動をされている。
・地道にPTA、民生委員等の地域の構成員と密接な関係を作りながら巻き込み、フードパントリーや子ども食堂活動を軌道にのせてきた。子どもに日常の体験を提供している。
・おかしのまちおかでおかしを好きなだけ購入し、子ども自身でお菓子を管理させる「お菓子大作戦」など創意工夫で子ども達の自尊心をはぐくむ活動に取り組んでいる。友達がコンビニで買う様子を見て我慢をしたり、万引き等非行の道に走るきっかけをつぶせるのであればという思いから始めた。
・初回の子ども食堂は子どもとぎこちない雰囲気で始まったが、2022年1月までの子ども食堂は200回開催、利用者数6,250人、フードパントリーの利用者は子ども4,581人、57回開催している。またお弁当・生活必需品配布利用者は4,971人であった。合計利用人数は15,802人。(こども食堂は開催場所が使えなくなったため今はパントリーや配食をされている)


3  2022年度「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議の実施状況について

1)推進会議(都内開催)は年4回実施。第1回:5/26 第2回:8/19 第3回:11/30 残り1回を2月に開催予定。
2)食でつながるフェスタは3地域での開催の他、東京での全国集会を実施。
 直近の開催実績:香川:9/9、群馬:10/24 今後の予定:青森(2/3)
  休眠預金での実施予定:長野(11/12)、大阪(12/11)、福島(1/13)北海道(3/5)、北九州(1/28)、山口(2/10)、鳥取(3/11)、他、那覇で予定


4 こども食堂等居場所づくり支援(一般社団法人全国食支援活動協力会)の活動について共有)

1)食支援活動をめぐる中間支援の現状と課題に関する調査の実施について
 千葉大学・清水先生と共同で子ども食堂やフードパントリー等食支援を行う活動団体を対象に、団体支援に活かす中間支援のあり方を検討するためにアンケート調査を実施した。回答件数:758団体、うち任意団体が6割を占めていた。関わりのある中間支援先は社会福祉協議会が7割を占め、中間支援団体・行政からの支援・助言を受けた活動で一番多くあったのは食材・食品の寄附関係。団体活動の継続に向けての課題として一番多く回答があったのは食材・食品の寄附に関することであった。
 今後中間支援セクターを活用した補助や助成のスキームの構築が望まれる。長く活動を継続する為には地域資源の活用と企業支援等広域連携が不可欠。

2)厚生労働省「見守り体制強化促進のための広報啓発事業」について
 「食」を通じた要支援児童等に対する見守り体制の構築に寄与することを目的に、先進的に見守り・個別支援に 取り組む食や居場所支援を行う活動団体を好事例として取り上げ学習会等を行い、国内に拡げていく狙い。
ヒアリング調査先には「女性を元気にする会」、「サポートおおさか」等がある。    
12/14(水)学習会開催予定。https://www.mow.jp/cn1/2022-11-10.html

3)厚生労働省「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」について
 今年度は 助成事業:96団体(117,489,000円)/活動支援事業:106団体(67,737,200円)が採択となった。11月には厚労省から追加補助を受け助成事業団体を対象に追加補助を実施、73団体 (1,700 万円)が採択となった。

4)「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム」物流課題解決プロジェクトについて
・全国に円滑な食品を届けることを目的とし、倉庫の貸出や配送の協力を募っている。

5)「こども食堂月間」の実施について
・12月に子ども食堂月間facebookページにて企業・個人を対象に寄付を募り、頂いた企業様への御礼の投稿を行う。


5 参加者から情報提供

〇東京ボランティア・市民活動センター
・12/5都内子ども学習会開催。
 子ども食堂関係者向け学習会「子ども食堂と『防災』の話」~防災をテーマに地域とのつながりを考える~


次回開催:2月13日(月)14時~